故障や事故、あるいは経年劣化などで、長年乗ったバイクもいよいよ廃車に…しかしいざ廃車となると、はじめての人は「どういう手続きをすればいいの?」「お金はかかるの?」「税金や保険はどうなるの?」など、疑問点がたくさん湧くのではないでしょうか。
この記事では排気量別のバイク廃車手続きについて、さらに廃車にともなう税金や保険のあつかいについて解説します。
法的には、バイクは排気量により以下のように区分されます。
50cc以下 | 第一種原動機付自転車 | 原付 |
51〜125cc | 第二種原動機付自転車 | 原付 |
126〜250cc | 軽二輪車 | |
251cc以上 | 小型二輪(大型バイク) |
バイクを廃車する際にはこの区分によって、手続きや、手続きをする場所もことなってきます。なおどの排気量でも廃車手続きの際にはナンバープレートと所有者の印鑑(認め印可)が必要です。
50cc以下の「第一種原動機付自転車」と51cc〜125ccの「第二種原動機付自転車」、いわゆる原付バイクは市町村の窓口(市役所や町役場)で廃車の手続きを行います。
原付の廃車手続きでは、書類として「標識交付証明書」が必要です。ナンバープレートと一緒に発行されているはずの書類ですが、もし紛失していた場合は、発行した市町村の窓口で再発行することができます。
軽二輪車では、廃車手続きは運輸支局(陸運局)で行います。書類として「軽自動車届出済証」が必要です。こちらもナンバープレートと一緒に運輸支局で交付されているはずですが、もし紛失している場合は運輸支局で再発行することができます。
「小型」とついてはいますが、250cc以上のいわゆる大型バイクです。こちらも軽二輪車と同様、運輸支局で廃車手続きを行います。書類としては、小型二輪の廃車の際には車検証が必要になります。
原付と軽二輪では車検を受ける必要がないため、車検証がありません。原付と軽二輪の廃車で必要だった「標識交付証明書」や「軽自動車届出済証」といった書類は、いわば車検証の代わりとして機能するものです。小型二輪では車検を受ける必要がありますので、廃車の際にはそのまま車検証を使うことになります。
以上ご説明しました排気量別のバイク廃車手続きについてまとめますと、以下のようになります。
排気量 | 必要な書類 | 手続きを行う場所 |
原付(125㏄以下) | 標識交付証明書 | 自治体の窓口(市役所や町役場など) |
軽二輪車(126~250㏄) | 軽自動車届出済証 | 運輸支局(陸運局) |
小型二輪(250㏄以上) | 車検証 | 運輸支局(陸運局) |
※ナンバープレート、印鑑はすべての排気量のバイクで必要
バイクを所持する際にかかる税金には2種類があります。「軽自動車税」と「自動車重量税」です。このうち軽自動車税は自治体(市町村)に納めるもので、年税(毎年おさめる税)であり、もともと月割りでの還付はありません。
また還付ではありませんが、廃車する時期と軽自動車税との関係には注意が必要です。軽自動車税は毎年4月1日時点でのバイク所有者に課税されます。このため、もし4月2日に廃車した場合は、その年度には1日しかバイクを所有していないのに1年分の税金が課されることになってしまいます。
3〜4月の年度末前後に廃車を考えている場合は、できるだけ3月中に手続きを済ませるようにしましょう。
もうひとつの自動車重量税は国に納める国税で、こちらは四輪のクルマの場合は廃車時に税金が還付される場合があります。これは平成17年から自動車リサイクル法が施行されたことにともなうもので、自動車が適正に解体され、必要な手続きを踏むことで、車検の残り期間に応じた還付を受けられるというものです。
ですがバイクは、今のところ同法の対象にはなっていません。そのため、廃車しても自動車重量税の還付は行われません。
ご説明しましたようにバイクの維持にかかる2種類の税金は、いずれも廃車しても税金の還付はありません。しかし保険は任意保険・自賠責保険ともに、残りの保険期間に応じて還付を受けることができます。
ただし廃車すれば自動的に戻ってくるのではなく、任意・自賠責ともに、加入している保険会社に対して廃車とは別に手続きをする必要があります。手続きは各保険会社の営業店のほか、大抵の保険会社では、必要な書類などを郵送することでも手続きできます。
還付して戻ってくるお金は、返戻金(へんれいきん)と呼ばれます。基本的には残りの保険期間に応じ、月割りで支払われます。
バイクの廃車は、排気量によって手続きが異なります。廃車しても税金は還付されませんが、保険に関しては基本的に還付されます。ただし廃車手続きとは別に、保険会社に対して手続きが必要になります。
手続きに関して自信がない・時間がとれないといった場合は、無料の処分業者などの専門家に相談、もしくは依頼した方が確実でしょう。
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